アキラのもったいない音頭
佐藤利明(娯楽映画研究)
「自動車ショー歌」(1965年)など、ナンセンスなコミック・ソングで一世を風靡した小林旭。コミカルな「アキラ節」は、いつも時代の「憂さ晴らし」ソングとして、あらゆる世代に親しまれて来た。パワフルに活躍を続けるマイトガイこと小林旭が、21世紀のニッポンにガツンと放つのが、この「もったいない音頭」だ。
この世の中は「もったいない」であふれている。どこを見渡しても、ムダなことばかり。本当に「もったいない」ことだらけ。「おそれおおくも」「もったいなくも」と、昔から日本人はモノを大切にしてきた。その美徳の心がこもった「もったいない」は、昨今の流行語にもなっている。
作詩は水木れいじ。作曲は「自動車ショー歌」「昔の名前で出ています」など小林旭の名曲を送り出してきた叶弦大。昭和のにおいのするどこか懐かしいリズムは、これぞ「アキラ節」の魅力! さまざまな世代が感じている「もったいない」を痛快に歌い飛ばす! 爽快でユーモラス。コミック・ソングの王道を行く「アキラ節」の傑作が、久々に誕生した。
カップリングは昭和の名曲「ショーがないね節」。70年代に流行したナンセンスなロックン・ロールを新アレンジで録音。この楽しさあふれる痛快ソングで、2006年夏のニッポンの「憂さ」を吹き飛ばせ!