「大冒険映画」についての記事をかいつまんで以下に紹介します。
秋にクランクイン予定とされていて、内容は準備中。小林旭さんの冒険演技の魅力を100%活かした内容とされる。
「冒険シーンでこわいのは、冒険をすること自体ではない。その演技をする役者が思わず身をかばってしまうことだ。そんな動きは必ず画面に現れるし、それが観客を失望させる。だからボクはいつも、このシーンでたとえケガをしても死んでもしようがないと思ってぶつかる」と、インタビューに旭さんは答えている。
「だが残念なのは、そんな思いでやった演技が、脚本、演出などの準備が不十分なせいで、その効果が画面に出ていないこと・・・」と答えて旭さんは自分の手を開いてみせた。「この手から煙が出たことだってあるんですよ、ヤケドしてネ」これは『命しらずのあいつ』での撮影中のこと。東京・有楽町のビデオ・ホールでのロケで、五階からロープを伝ってすべり落ちた。手を開いたら煙がフワーッとあがった。
「期待して試写を見ると、その迫力が出てないんだ。ボクが悪いところもある。もっと面白くしようと、撮影現場で冒険のアイデアを出したりするんだが、その場での思いつきだけに、準備不足になるんだ」
こうした準備不足を解消するために十分に準備期間を確保するために自主製作でということとなった。
また、以下のような興味深いことがらも話されています。
当時、冒険映画の俳優は旭さんと千葉真一さんだという前置きがあり、
「直接に聞いたわけではないが、千葉君がボクが共演したいといってたそうだ。望むところだがいろいろと事情もあり、実現は難しいでしょう」
「(略)彼のアクションはやっぱり身をかばっている。これは彼の本意ではないかもしれない。所属している会社があれば、社の意向としても、できるだけ危険をさけさせるだろうから・・・」
だから、自主製作でのぞむと結ばれている。
「ダイニチという新しいシステムで日活の再スタートだと、スタッフの意気込みはすごい。このムードの中で新しい日活の魅力はボク自身が作る。日活は役者としてボクの生まれ故郷だもの・・・」
<1970年6月1日「サンケイスポーツ」より抜粋>
記事資料提供は「女優 高樹蓉子の跡」の管理人 takaさんです。