この「小林旭マイトガイトラックス」は、昭和33(1958)年の『絶唱』から、小林旭にとって日活最後の作品となった昭和46(1971)年の『暴力団
乗り込み』まで、日活映画で歌った、主題歌挿入歌をセレクション。
日活撮影所に奇跡的に保存されていた音楽テープをマスターに、これまでリリースされたレコード音源とはまったく異なる映画音源によるマイトガイソングスを集大成。
主に映画撮影前に収録されたプレスコ音源と、クランクアップ後に音楽入れと同時に行われた撮影所のスタジオでの録音音源で構成。レコードテイクとは異なる演奏、歌詞、タイトルバックにクレジットされていながら未使用に終わった曲など、現存するものを極力収録している。
このCDにおさめられた音源は、映画でヒーローが歌を歌えた時代の空気が凝縮されている。観客はマイトガイのアクションに感嘆し、その自慢の喉を堪能してきた。
130本もの日活映画に出演した我らがマイトガイ、カッコいいという言葉は彼のためにある。そんな気にさせてくれる正真正銘の<歌う銀幕スター>なのである。
佐藤利明(娯楽映画研究)
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