はじめに
渡り鳥のコンセプトを持つ作品について
「渡り鳥シリーズ」は一般的には8作品、あるいは9作品、10作品と言われています。
8作品とは『ギターを持った渡り鳥』から『渡り鳥北へ帰る』を指します。
9作品とは、シリーズの原点となった「『南国土佐を後にして』を1本加えての数え方。
10作品とは、タイトルに「渡り鳥」と付いた『渡り鳥故郷へ帰る』を最後した数え方。
これは予告編でもシリーズ10本目となっています。
このように捉え方はさまざまでしょう。そうした観点から実際に企画された当時はどうだったろうかに思いを馳せると、最初からは特にシリーズとしては捉えられてはいなかったようです。また、一方での「流れ者シリーズ」も同様の捉え方がされていて「渡り鳥・流れ者」を合わせた数え方もみられます。また、初期のギャンブラーシリーズにおいても厳密に区分けせずに渡り鳥の延長線上にとらえられていたこともかいま見ることができます。こうしたことから大胆にも「渡り鳥の雰囲気を持つ作品」を全てひとまとめにして「カッコいい」とはこういうことだと振り返ってみたいと思います。
「渡り鳥」は無目的に、その土地に現れるスタイル。「流れ者」は、行方不明の友人捜しなどの目的を持って、その土地に現れるスタイルと、厳密には違いはある。
各種資料を参考に勝手な憶測を加えつつ展開しますので管理人の勝手な思いとお許し下さい。そしてまた、これらのタイトルのみを先に挙げて自分自身の更新課題とすることもご了承下さい。更新期間・時期は一定しませんが、どうぞよろしくおつきあい下さい。
南国土佐を後にして
渡り鳥・流れ者シリーズの原点となる名作
封切日:1959(昭和34年)8月2日
当初、舛田利雄監督が『ダイスの眼』で着手する予定だったが、プロデューサーが当時、ヒットしていた「南国土佐を後にして」をモチーフとして使いたいとの意向から制作依頼を渋り、斎藤武市監督がメガホンをとることになった経緯がある。当時は「歌謡メロ(ドラマ)」ものとして、上映時間も50分程度の短いものであり、本編映画の抱き合わせ作品として歌謡映画は一段低い位置で捉えられていた。
<1959年頃の日活歌謡映画>
- 赤いランプの終列車
- 主演:春日八郎 歌:春日八郎
- 単車で飛ばそう
- 主演:青山恭二 歌:平尾昌章
- だから言ったじゃないの
- 主演:安井昌二 歌:松山恵子
- 夜霧に消えたチャコ
- 主演:筑波久子 歌:フランク永井
- 俺は淋しいんだ
- 主演:安井昌二 歌:フランク永井
- 可愛い花
- 主演:岡田真澄 歌:ザ・ピーナッツ
ところが、『南国土佐を後にして』が公開されると大ヒット!
本作品がヒットし、後の「渡り鳥・流れ者」シリーズの原点となった要素は以下があげられる。
・かつてはダイスの名手であった暗い過去を持つ主人公
・「南国土佐を後にして」のモダン歌謡(民謡を現代的にアレンジ)
・高知のよさこい祭りの群舞に代表されるローカル性
・ヒロインを残して他の世界へ行く(婚約者を残し警察へ)
・本作品では故郷に帰るのだが、旅をしている
後の「渡り鳥・流れ者」シリーズにつながる要素として重要なポイントは、ローカル性豊かな「歌」である。主人公のスーパーマン的なドライなアクションに対して映画を見終わった後に残るメロー感が重要だ。それには抒情的な主題歌が欠かせない。後のシリーズ主題歌・挿入歌などは、小林旭というキャラクターなくしては存在し得なかったものといえる。
ギターを持った渡り鳥
"革ジャンにギター"スタイルが若者たちに共感!
封切日:1959(昭和34年)10月11日
今しばらく、お待ち下さい。
波止場の無法者
"流れ者シリーズ"の原点といわれる作品
封切日:1959(昭和34年)11月15日
今しばらく、お待ち下さい。
口笛が流れる港町
海から来た流れ者
2010-03-06
封切日:1960(昭和35年)2月8日
渡り鳥いつまた帰る
2010-03-06
封切日:1960(昭和35年)4月23日
海を渡る波止場の風
封切日:1960(昭和35年)5月28日
赤い夕陽の渡り鳥
封切日:1960(昭和35年)7月1日
南海の狼火
封切日:1960(昭和35年)9月3日
大草原の渡り鳥
封切日:1960(昭和35年)10月12日
大暴れ風来坊
封切日:1960(昭和35年)11月16日
波濤を越える渡り鳥
封切日:1961(昭和36年)1月3日
風に逆らう流れ者
封切日:1961(昭和36年)4月9日
大海原を行く渡り鳥
封切日:1961(昭和36年)4月29日
高原児
封切日:1961(昭和36年)8月13日
大森林に向って立つ
封切日:1961(昭和36年)9月23日
渡り鳥北へ帰る
封切日:1962(昭和37年)1月3日
渡り鳥故郷へ帰る
封切日:1962(昭和37年)8月12日
ギター抱えたひとり旅
封切日:1964(昭和39年)12月19日
投げたダイスが明日を呼ぶ
封切日:1965(昭和40年)2月13日
さすらいは俺の運命
封切日:1965(昭和40年)4月3日
放浪のうた
封切日:1966(昭和41年)6月15日
不敵なあいつ
封切日:1966(昭和41年)10月8日
不死身なあいつ
封切日:1967(昭和42年)1月14日
命しらずのあいつ
封切日:1967(昭和42年)4月8日
爆弾男といわれるあいつ
封切日:1967(昭和42年)6月28日
やくざ渡り鳥 悪党稼業
封切日:1969(昭和44年)4月16日