“エースのジョー”
 

 いつの間にか俺はそう呼ばれるようになった。
  それはいつごろからだったのか?

 「コルトの政」「コルトの銀」そう呼ばれることもあった。
  だが、ヤツらとは、まだ決着はついてねぇ

 “ろくでなし”になった俺についた異名か?
  いや、真っ紅なガンベルトを締めた時からか?
  あんたは、どっちだと思う?

 

《エースのジョーの呼称登場の検証》

  
   ■ポスターのキャッチコピーに登場する
エースのジョー”


   ろくでなし稼業 共演:南田洋子
   
俺は馬鹿な男さ ニッと笑って女を泣かす、今日も気ままな早射ち稼業 イカス野郎のエースのジョー!!
    <1961年3月12日封切り>  役名:矢野 英次


  エースのジョー
   宍戸錠の早射ち野郎 
共演:笹森礼子 
   
◯.六五秒 抜く手もみせぬガンさばき 颯爽荒野を行くエースのジョー 
    <1961年4月1日封切り>
 役名:エースのジョー



   用心棒稼業  共演:笹森礼子 
   
どうせ俺らはろくでなし 拳銃と丁半まかしとけ エースのジョーとダンプ・ガイの早射ち稼業 
    <1961年4月23日封切り>
 役名:ジョウ


    三つの竜の刺青(ほりもの)  共演:笹森礼子
    竜の刺青怒れば唸る、俺のコルトは必殺だ
七つの謎に包まれた颯爽 早射ちエースのジョー 
    <1961年5月21日封切り> 
役名:辰巳 錠次


   海の勝負師  共演:笹森礼子
    不気味にかすむ真っ赤な月は地獄野郎の果し状
 怒りの海に炸裂する海の男エースのジョーの拳銃 
    <1961年7月1日封切り>
 役名:ジョー


   俺は地獄へ行く 共演:笹森礼子
   
どこへいくのかソンブレロ 愛銃ルガーが知るだけさ 不敵に笑ったメキシコ野郎のエースのジョー 
    <1961年10月1日封切り>
 役名:壇 譲次


   紅の銃帯(ガンベルト)  共演:松原智恵子
    
馬のいななき荒野に一つ 紅いベルトが夕陽に映える! 颯爽 決斗の丘に疾駆するエースのジョー拳銃無宿 
    <1961年11月10日封切り>
 役名:エースのジョー


   早射ち無頼 大平原の男  共演:松原智恵子
    
*走れ射て
 大平原を血に染めて疾駆する颯爽 早射ち無宿のエースのジョー(一部不明個所あり) 
    <1961年12月6日封切り>
 役名:川崎錠次


   気まぐれ渡世  共演:芦川いづみ
    
腕と気っぷは日本一
 ライフル肩に風を切る、イキな野郎エースのジョー 
    <1962年2月18日封切り>
 役名:白坂譲次


   大氷原   共演:和泉雅子
    
天に轟け男の怒り
 流氷ぶち抜く弾丸嵐 夕映えに炸裂する豪快! 早射ちエースのジョー 
    <1962年4月22日封切り>
 役名:ハンター・新井哲次


   銃弾の嵐   共演:笹森礼子
    
*狙ったヤマには情は無用
 度胸で張った男の勝負 痛快エースのジョーの人間狩り(一部不明個所あり)  
    <1962年9月2日封切り>
 役名:ブラックホークのジョー


   危いことなら銭になる   共演:浅丘ルリ子
    
虎穴に入らずんば銭を得ず
 度胸が資本(もとで)の危険屋稼業 
    痛快
エースのジョー
が叩きつける日活コメディ・アクション 
    <1962年12月1日封切り>
 役名:近藤錠次(ガラスのジョー)


   危険な商売 鉛をぶちこめ   共演:中原早苗
    
俺らが歩けば草木も枯れる
 コルト片手のフーテン商売 命知らずのエースのジョー 
    <1962年12月16日封切り>
 役名:木崎




初主演作品から背負った一枚看板“エースのジョー”


  上記にあるように既に初主演作品には「エースのジョー」の名前がある。これは、“タフガイ”“マイトガイ”に匹敵する
   呼称だ。役名の上では『早射ち野郎』をはじめとして、『紅の銃帯(ガンベルト)』『ひとり旅』がある。ニックネームと
  しての「エースのジョー」が先行していたものと思われる。また、上記にはないものの『メキシコ無宿』の広告文には見る
  ことができる。そして、1963年以降は「エースのジョー」という名前を見ることがない。様々な呼び方となっている。
  特筆すべきことは、この時期のジョーさんの主演作品本数には凄まじいものがあることだ。
  
  -
1961年-
  主演作品:3月=ろくでなし稼業 4月=早射ち野郎/用心棒稼業 5月=三つの竜の刺青 6月=助っ人稼業 7月=海の勝負師
       /赤い荒野 9月=ノサップの銃(ガン) 10月=俺は地獄へ行く 11月=紅の銃帯 
       12月=早射ち無頼 大平原の男 11本
  助演作品:1月=波濤を越える渡り鳥/太平洋のかつぎ屋 2本  合計13本 

  -1962年-
  主演作品:1月=メキシコ無宿 2月=気まぐれ渡世 3月=抜き射ち風来坊 4月=大氷原 6月=ひとり旅 
       7月=燃える南十字星 9月=銃弾の嵐/硝子のジョニー・野獣のように見えて 12月=危いことなら銭になる/
       危険な商売 鉛をぶちこめ 合計10本

  ほぼ毎月、ジョーさんの映画か、アキラさんの映画という時期が一時期あった(1961年3月〜8月)。