四国松山ロケにひきつづいてのセット撮影。松山ロケの前には『太平洋のかつぎ屋』の宮崎ロケと大忙しのアキラさん、この頃の近況報告の冒頭に松山のことを書かれています。
 
★松山ロケ後のアキラさんの近況報告(一部)★
 つい先日も、松山に十五日間ばかりロケに行ってきました。いかにも南国の街らしく、のんびりして良い所です。そしてまた、松山といえば、すぐに思い出されるのが道後温泉のことです。(中略)三階建てのデンとした建物があって、宿屋から入浴に出かける仕掛けになっているのです。いまは内湯が引かれるようになったのですが、以前は、みんなこの温泉に入りに行ったものだそうです。
夏目漱石の“坊っちゃん”の舞台になったことは、余りにも有名な話。そして、浴場のそばには玉石が飾ってあるのです。むかし、この温泉を発見したサギが舞い降りた石だというのですが・・・事実、神代の時代から続いた温泉で、四国の温泉はここ一カ所しかないという話です。
サギが発見した温泉・・・。いかにも古風な温泉ではありませんか。(以下略)
 

キャバレー銀馬車に集まる流れ者

●定番シチュエーションのキャバレーシーン、野村浩次が悪者の前で歌を歌うお約束場面。ピカピカのフロアーに銀色の幕が掲げられ、“CAVALET SILVER CARIAGE”の文字。「キャバレー銀馬車」の登場だ。

●キャバレーセットが組まれる間、アキラさんはフロアに座り、出番までギターをかきならしている。横にかかえたり、タテに抱えたり役作りに集中。

●ソファやテーブル、植木が運び込まれ、最後にはタバコの煙もたちめてキャバレーセットの完了。

●クラブ歌手の歌が始まり撮影開始。歌は予めテープ録音のものが流されます。
キャバレーのマダム、蘭子(南風洋子さん)がカウンターに立つと、そこへ土地のボス榊原(高品格さん)がやってくる。榊原を迎えたのは辰と由公の子分二人。蘭子は榊原を見て思わず顔をこわばらせるが、客商売の手前、思い直して鄭重に迎えた。
「いらっしゃいませ・・・。おかげさまで・・・といいたいところですけど、時々、威勢のいいお客が見えるんで閉口してるんですよ」それを聞いて辰と由公が「なにを!」と、蘭子に怒鳴った。短いカットをつなぎ合わせてスピーディに撮影が展開される。その度に、バックに流れる歌のテープは何度もかけかえられる。
「お借りしたお金のことでしたら、もうしばらく待っていただきたいんですが」「お前さん方はそれでいいかも知れないが、オレの方はそうはいかないんでね」と蘭子に凄む榊原。


「念仏の政 」の登場


●次のシーンでは、年老いた流しが立ち上がろうとするところを由公が蹴り飛ばす。流しはテーブルとともにひっくり返る。そしてその老人の鼻先へビール瓶をちらつかせ「おっつぁん、どうだい? のみてぇか?」ほとんどアル中状態の老人にはたまらない魅力。ビール瓶に手を伸ばした老人に向かって、辰が言った。「おっと、タダじゃやれねぇ。人にタダで物をもらうのは乞食だぜ。三べんまわってワンと鳴いてみな。そしたらいくらでもくれてやるぜ」

●辰と由公は老人の前で見せびらかすようにして、浴びるようにビールをラッパ飲みする。たまらなくなった老人は三べん廻って小さくワンと鳴きまねをした。この様子を見てたまらず飛び出したのが、ダンサーのローズ・奈美(白木マリさん)。辰と由公にジョッキに入ったビールを頭から浴びせかけます。「やめなさいよ! なんていうバカなマネをするのさ!」「うるせぇ、てめぇなんかすっこんでろ! スケの出る幕じゃねぇや」ダンサー衣装のままの姿で男たちをたしなめる白木マリさん。
「寄ってたかって弱い者いじめして何が面白いんだよ。いいかげんにしてとっとと消えな」「客をなめんじゃねえや」「畜生!」辰と由公がいきなり奈美にとびかかろうとしたところへ、フッと現れたのが十字架の政(宍戸錠さん)。黒い帽子に牧師スタイルのブラックスーツで、目を細めた独特のにらみをきかせる。「あんたあ」「逢いたかったぜ」ナムアミダブツと唱えながら奈美の身体を抱いて撫で回す。<「はい、カット」の声>

●出番待ちのアキラさんは、ギターを鳴らしたり、二挺拳銃を振り回したりしています。じっとしているのが嫌いなアキラさんの性分なので待ち時間の間も役作りに熱中。

●「構わねぇから、この野郎からやっちまえ!」辰が言うと、由公はじめ子分たちが一斉に政に殴りかかる。政は奈美を素早く突き放して、辰たちを反対に殴りとばします。烈しい乱闘となり、やがて政はテーブルのビールをラッパ飲みする余裕も・・・そして、横から殴りかかろうとする辰に向かって、懐から抜いた銃を構え「とうとうオレに抜かしてくれたなぁ。オレのハジキはよ、一度手にした以上、素直に引っ込んじゃくれねぇのさ」ところが、その政の背中にもピストルが突きつけられた。「くそ坊主、拳銃が一挺しかねぇと思ったのはとんだ間違いだったぜ」と由公の声。手を上げた政に向かって、今度は辰が椅子をふりおろそうとした瞬間・・・。空を切って飛んできた50円硬貨2枚が拳銃を持った由公と政の手首に当たった。二人の手から床へガラガラとピストルが落ちる。

颯爽、ギター野郎の登場


●驚く一同の前に颯爽と現れたのが野村浩次。素早く奈美が二挺の拳銃を拾い上げる。おびえて立ちつくす年老いた流しの手から、ひょいとギターをとりあげて、一同に向かってニッと笑った(出ました、アキラ・スマイルです!)。何事も無かったように落ち着いた態度で浩次が「炭坑節」を歌います。歌い終わると、気を呑まれていた辰たちが襲いかかる。しかし、たちまちやられてフロアに座り込む。浩次の必殺の蹴りは政の下腹部にも・・・「ううっ・・・、やいやいやい、何てぇことをしやがるんだ。手出しひとつしねえヒューマニストの俺にまで、何も殴りつけることはねぇじゃねぇか」と言ったが、浩次は「喧嘩は両成敗よ」とすました顔。「いうじゃねえか、ギター野郎」すかさず奈美が「およしよ、みつともない。あんたの負けだよ」恋人の奈美にたしなめられ、浩次に向かってウインクをしてみせる。「この場はあんたにまかしたぜ!」と奈美にギターを渡して悠然と店を出てゆく浩次。



政と再会したローズ・奈美

 

<注>本編では編集でカットされている箇所もあります。ご了承下さい。

四国松山ロケ編へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


TOP | WHAT'S NEW | MOVIES | SONGS | OTHER | Legend of JOE | INFORMATION | BBS | LINK