夢のはなし あれこれは…!?
- 小林 ところで、来年から海外ロケがふえるんだってね。
- 赤木 俺も聞いたぜ。
- 和田 ようするに、日本は狭くなってしまったんだな、しかし、外国なんかではやってんだから、われらが国さでもどしどしやるべきだ。
- 赤木 そうだ!
- 小林 驚いてる訳じゃないけどさ。今度は、運賃も安くなるし、ロケだけでなくて、土曜日だから家族と一緒に、ハワイまで行ってくらあ、てなことになるよ。
- 赤木 自由貿易だとか自由外交てなものになるとね。
- 和田 ビザなんかいらなくなる訳だ。
- 小林 羽田の飛行場に行って、ロンドンまで一枚なんて切符を買やさ。
- 和田 一時間後に、ロンドンの、とある喫茶店でお茶を飲んでいる。
- 赤木 帰りに、ちょっとパリに寄って、晩のおかずを買って来る? 大袈裟だね(三人の爆笑)
- 小林 とにかく、外国へ簡単に行くのは夢じゃなくなった。
- 赤木 そうなったら、やっぱり、飛行機の世の中だね。
- 小林 だって、ぶるんぶるんじゃしょうがねえよ。
- 和田 ハワイぐらいまでならいいだろ?
- 赤木 ハワイで油を入れて、さてアメリカまでひと飛びってわけだ。
- 小林 双発機を操縦してさ。
- 和田 裕ちゃんが飛行機買いてぇって気持ち分かるね。
- 小林 ところが困ることがひとつある。空の交通巡査だよ。
- 赤木 飛んでる飛行機が、今の東京みたいじゃ困っちゃうね。
- 和田 おまわりさんが目廻しちゃう。
- 小林 ぴぴーッなんてホイスル吹いたってだめだ。空が狭いですから、左側にしてくださいなんてね。
- 赤木 そうなったら、事故でさ、いつ空からバラバラの機体が落ちてくるか、危なくて、おちおちランデブーも出来なくなる訳だ。
★右上へつづく ↗
セット撮影中だった作品
三人で共演したら…と夢がいっぱい
- 和田 ところでね僕のところに来るファンレターの中に、共演作品を作ってくれってのがうんとあるんだ。
- 赤木 俺にも来る。
- 小林 俺んとこにも来る、一回ね、誰だったか忘れたけど、そのことも話したことがあるんだ。例えばね、とてつもねえ、大々超スペクタクル作品なんかで…。
- 赤木 世界をまたにかけた奴をね。
- 和田 面白いぜ。
- 赤木 俺とヒデ坊がね、街のボスでも何でもいい、そんなもんなんだ。
- 和田 そして、何か事件があるんだ。決闘じゃねえや、最初は対立してるんだよ。
- 小林 そこへ、俺が出て行く。流れ者なんだよ。
- 赤木 俺は拳銃の名手だ。
- 和田 じゃ、僕は二丁拳銃と行こうよ。
- 小林 あわやという時…でもねえや…とに角、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、すべてまたにかけて…、。
- 和田 ジョン・ウェインなんか西部で俺たちを待っている。
- 赤木 日本から、悪玉が逃げたてんで、向こうへ電報を打つ訳だ。
- 和田 富士ロケなんてもんじゃねえんだ。
- 小林 ロンドンにいたと思えば、さっと、ニューヨークに現れる勿論、話はちゃんと継ながってる訳よ。
- 和田 しかも70ミリの超デラックスだよ。なにしろ…。
- 赤木 上映時間が、延々一日ぐらいの長さだ。
- 小林 途中に三十分なり、一時間の休憩時間をもうけておく。
- 和田 しかもスクリーンから臭い出てくると大変だよ。旭さんがアメリカで喰っているビフテキが、たまたま映画館に見に行ったとき、すきっ腹でさ…その臭いが、ぷーん鼻に入って来る。
- 赤木 腹の虫が、ぐぐっと鳴いちゃうよ。
- 小林 あ、そう云えば腹がへってきた。
- 和田 食べてないの?
- 小林 セットが遅く終わったんでね皆が待ってると悪いからさ、飛んで来たんだよ。
- 赤木 おれもまだなんだよ。しかしでけえ話になっちゃったね。
- 小林 たまにはいいじゃないか。大日活で働いてんだからさ…。
- 和田 しかし、共演は無理だね。
- 赤木 無理だね。
- 小林 自分の作品に出るだけで、時間に追っかけられてるものな。
- 赤木 おれなんかこの前、ぶったおれちゃったよ。
- 和田 僕なんかm、今は楽だけどロケとセットと他の作品と…自分で何を撮ってるか分からなかった。
- 小林 俺なんかは、今年は、渡り鳥と風来坊で終わっちゃったからね。
- 赤木 でも、受けてんだよ。
- 和田 僕もみてるけど…。
- 小林 アリガトウッ!(笑) ★END