小林旭さんのシリーズ物に「二階堂卓也銀座無頼帖」、いわゆる銀座旋風児シリーズがあります。この主人公も表向きは様々なデザインを手がけるデザイナーであり、実は私立探偵でもある。得意の変装を活かして敵をあざむいて、正義の鉄拳をふるう。七つの顔こそ持たないが、多羅尾伴内に共通する点は多い。時代からいえば、片岡千恵蔵さんの方が当然、先なので、この作品が元祖・多羅尾伴内の影響を受けたとも考えられる。そうなると二代目・多羅尾伴内は、ますます小林旭さん以外には適役がなかったといえるでしょう。このように考えれば、2本のみで終わってしまったことが、今更ながらに惜しまれる。千恵蔵さんが出演されていた年齢から考えると、まだまだ行けますよ。是非とも、新たな
多羅尾伴内として帰ってきて欲しいものです。
*「銀座旋風児」については、シリーズ映画の研究を参照して下さい。
ハンフリー白川に変装 して 敵をあざむく(「銀座旋風児・目撃者は彼奴だ」より)